虎の頭をもち姿が魚
「鯱」(しゃちほこ)に込めた
祈りや願いは忘れられ
この国の想像上の生き物も
絶滅してしまった
ハードルをなぎ倒し
華麗なフォームでゴールを目指す
野となり山となり
川は枯れるとさ
どこかへ行きたいと思った
どこだろう……
長く折れ曲がり伸びる影の先辺り
暗い森に秘密はありそうだ
ちゃんと彼岸に咲くところをみると
誰かと大切な約束をしたのかもしれない
果たしているのか
まだ果たされていないのか……
森に吊されたヤッサ
何故、こんなことをするのか、その起源は
どのくらい昔からこうしていたのか
森の杉の木しか覚えていない
少し前まで見慣れた山河があった
身体の輪郭が朝日を背景に赤く透ける黒猫が
網戸越しに通りをにらんでいる
今日もまた地図が描きかわる……
大正の広重と呼ばれた鳥瞰図絵師 吉田初三郎は
「富士と琵琶湖、そは世界に對して、
我等日本人が優美を誇る象徴の双璧であらねばならぬ」
と記した(『琵琶湖遊覧御案内』)
背を丸くして眠ると
ショーウインドーの向こう側に
蝙蝠傘が置いてある
いつもの夢である
言いあらわせないもの
描けないもの
数値では計れないもの
ないものねだり
近ごろ
なにをみても
なにをしても
せつない気持ち
春の花見は
神様と一緒にするものらしい
一喜一憂
やっぱり一緒に溜息もつく……
新しい一年が始まった
一日の計は晨にあり
晨は、あしたと読む
生気に満ちた早朝のことをいう
それでも時間は
未来に向かって進むから
明日は晴れますようにって
僕らは生きてく……
さあ さあ……
かけ声ばかり
5秒以内に始めなければ
人はあれこれ考えてしまうらしい
ぼくらは歩いている
どこまでも行こう
まだ少し先まで
行くことができるかもしれない